遺影の処分のしかた
葬儀で使った大きい遺影は、年月がたつと飾る場所に困ることがあります。引っ越しや実家の片付けで、手放すことを考える方も多いはずです。遺影を処分することは、失礼にあたるものではありません。
気持ちの区切りがつく方法を選んで、故人を大切に思う気持ちのまま手放してください。この記事では、処分してよい理由と時期、4つの方法と自分で処分する手順をご案内します。手放す前に、写真を小さく残す方法もまとめました。
大きい遺影を手放しても、小さく残して飾れます(見本・架空の人物)この記事でわかること
- 遺影を処分しても失礼にあたらない理由がわかります。
- 処分を考える時期と、ご家族と話し合っておきたいことがわかります。
- お焚き上げ・代行・業者・自分で処分する4つの方法の違いがわかります。
- 宗派ごとの考え方と、確かめる先がわかります。
- 手放す前に、写真を小さく残す方法と撮り方がわかります。
遺影は処分してもよい?
遺影は、処分してもかまいません。遺影は、位牌のように故人の魂が宿るものとされるものではありません。故人をしのぶための写真と考えられています。
そのため、法律や宗教のうえで、処分してはいけないという決まりはありません。位牌や仏壇を手放すときには、「閉眼供養(魂抜き)」が行われることがあります。遺影については、一般には必要ないとされています。
処分してよいといえる理由
- 遺影は、故人をしのぶための写真と考えられています
- 処分してはいけないという、法律や宗教の決まりはありません
- 閉眼供養(魂抜き)は、遺影には一般には必要ないとされています
- 大切なのは写真の大きさではなく、故人を思う気持ちです
とはいえ、そのままごみに出すことに抵抗を感じる方も多いはずです。下にご紹介する方法から、ご家族が納得できるものを選んでください。
「捨てるのは失礼」と感じるときは
遺影を手放すことに、うしろめたさを感じる方は少なくありません。毎日のように手を合わせてきた写真なら、なおさらです。その気持ちは、故人を大切に思ってきたしるしでもあります。
気持ちの区切りをつけたいときは、供養をしてもらえるお焚き上げを選ぶ方法があります。写真を小さく残してから手放せば、お顔を見られなくなる心配もありません。手放すことと、故人を忘れることは別のことです。
処分を考えるきっかけ(時期)
処分の時期に決まりはなく、法要や暮らしの節目をきっかけにする方が多いようです。ご家族の気持ちが落ち着いたときが、ちょうどよい時期といえます。急いで決める必要はありません。
四十九日の法要の後
後飾り祭壇を片付けるときです。葬儀で使った大きい遺影の置き場所に、困りやすい時期でもあります。
一周忌・三回忌の後
気持ちが落ち着いてきたときです。少し時間をおいてから考えたい方に向いています。
三十三回忌(弔い上げ)の後
年忌法要の区切りとして考える方がいます。法要の節目に合わせると、ご親族にも伝えやすくなります。
引っ越し・家の建て替え
飾る場所が変わるときです。新しい住まいに、大きい遺影を置く場所がないこともあります。
実家の片付け・仏壇の整理
先祖代々の遺影がたくさんあるときです。仏間に並んだ遺影を、まとめて見直すきっかけになります。
ご家族で話し合ってから決めると、後で気持ちの行き違いが起きにくくなります。特に、ご兄弟やご親族が大切にしていることもあります。ひと声かけておくと安心です。
ご家族と話し合っておきたいこと
- 引き取りたい方がいないか、先に聞いておきます
- 元の写真や画像のデータが残っているかを確かめます
- お焚き上げにするか、自分で処分するかを一緒に決めます
- 小さく残すなら、誰の分を何枚作るかも話しておきます
離れて暮らすご家族とは、電話や手紙で相談しても構いません。遺影の写真をスマホで撮って送ると、話が進めやすくなります。
処分の前にしておくこと
手放す前に、写真を残すかどうかと、額の中身を確かめておきます。一度お焚き上げや処分をすると、元に戻すことはできません。後で「残しておけばよかった」とならないように、順に確かめましょう。
- 写真を残すか決めます。スマホで撮っておくだけでも、お顔を残せます
- 額の裏や台紙の間を見ます。手紙やメモ、別の写真が挟まっていることがあります
- 額縁を使い続けるか決めます。小さい写真を入れて、そのまま使う方もいます
- 手放す方法を決めます。受け付けの条件や日にちを、先に確かめておきます
特に、元の写真が手元にないときは、遺影そのものがただ1枚の写真かもしれません。手放す前に、スマホで撮っておくことをおすすめします。撮り方は、この記事の後の方でご案内します。
額に入れた遺影。処分の前に、額の裏も見ておきます(見本・架空の人物)処分の4つの方法
遺影の処分は、お焚き上げ・代行・業者への依頼・自分での処分の4つから選べます。気持ちの区切りをつけやすいのは、供養をしてもらえるお焚き上げです。手間を少なくしたいときは、業者にまとめて頼む方法もあります。
1. お寺や神社でお焚き上げ
供養をしてから焼いてもらえます。気持ちの区切りが、いちばんつきやすい方法です。
2. お焚き上げの代行
郵送で受け付けている寺社や業者に送ります。近くに頼めるお寺がないときに向いています。
3. 葬儀社や遺品整理の業者
引き取りや供養を受け付けていることがあります。ほかの遺品と、まとめて頼めます。
4. 自分で処分する
額から外し、清めて包んでから出します。お住まいの自治体の決まりに従います。
1. お寺や神社でお焚き上げしてもらう
お付き合いのあるお寺や、お焚き上げを受け付けている寺社に相談する方法です。読経などで供養をしてから、焼いてもらえます。いちばん気持ちの区切りがつきやすい方法です。
- 受け付けているかどうかを、先に確かめてください
- 額ごと持ち込めるかも確かめます。ガラスや金属は外すよう言われることがあります
- お礼の金額は寺社によって違います。分からないときは、遠慮なく聞いて大丈夫です
- お焚き上げの行事の日が決まっている寺社もあります
持ち込める日や時間が、決まっていることもあります。相談するときに、あわせて聞いておくと安心です。
2. お焚き上げの代行を頼む
近くに頼めるお寺がないときは、郵送でお焚き上げを受け付けている寺社や業者を使う方法もあります。受け付けるもの(額縁の素材など)と費用を、依頼の前に確かめましょう。
郵送なら、遠くに住んでいても頼めます。送る前に、写真を額から外すかどうかも確かめておくと安心です。
3. 葬儀社や遺品整理の業者に引き取ってもらう
葬儀をお願いした葬儀社が、遺影の引き取りや供養を受け付けていることがあります。実家の片付けをお願いする遺品整理の業者が、受け付けていることもあります。ほかの遺品と一緒に、まとめて頼めるのが良い点です。
先祖代々の遺影がたくさんあるときや、遠くの実家を片付けるときに向いています。供養をしてもらえるのか、引き取るだけなのかは、頼む先によって違います。依頼の前に確かめておきましょう。
自分で処分する手順
自分で処分するときは、額から外し、清めて包み、自治体の決まりに従って出します。特別な道具はいりません。ご家族のやり方で、気持ちの区切りをつけてください。
- 額から写真を外します。額縁と写真を分けておきます
- 気持ちの区切りをつけます。手を合わせてお礼を伝える、少しの塩で清めるなど、ご家族のやり方で構いません
- 白い紙や布で包みます。お顔が見えないように包むと、気持ちよく手放せます
- お住まいの自治体の決まりに従って出します。ほかのごみとは別の袋に入れる方が多いです
額から外すときは
古い額は、裏の留め具がかたくなっていることがあります。ガラスが入っている額は、割らないように平らな所で外してください。軍手をしておくと安心です。
写真が額のガラスに貼り付いているときは、無理にはがさなくても構いません。額ごと、お焚き上げや業者に相談する方法もあります。
お顔が見えないように包む理由
写真をそのまま袋に入れると、お顔が外から見えてしまうことがあります。白い紙や布で包めば、ほかの人の目にふれる心配がありません。手放す側の気持ちも、少し楽になるようです。
方法の選び方
迷ったときは、気持ちの区切り・手間・遺影の数の3つで選ぶと決めやすくなります。どの方法を選んでも、故人に失礼になることはありません。ご家族の事情に合う方法を選んでください。
気持ちの区切りを大切にしたい
お寺や神社でのお焚き上げが向いています。供養をしてもらえるので、安心して手放せます。
近くに頼めるお寺がない
郵送で受け付けるお焚き上げの代行が向いています。家にいながら頼めます。
遺影がたくさんある
葬儀社や遺品整理の業者に、まとめて頼む方法が向いています。実家の片付けと一緒に頼めます。
自分たちの手で済ませたい
自分で清めて包み、自治体の決まりに従って出す方法が向いています。
迷う場合は、まずお付き合いのあるお寺に相談してみるのも一つです。お焚き上げを受け付けていなくても、ほかの方法を教えてもらえることがあります。
宗派ごとの考え方
宗派によって考え方が違うことがあるため、お付き合いのあるお寺・神社・教会に確かめるのが確実です。ここでは、一般にいわれている考え方をご紹介します。同じ宗派でも、お寺や地域によって違うことがあります。
仏教
多くの宗派で、遺影は供養の対象そのものではないと考えられています。故人をしのぶための写真という考え方です。お焚き上げを受け付けているかは、お寺ごとに確かめてください。
浄土真宗
亡くなった方はすぐに仏になると考えるため、遺影に特別な扱いを求めないことが多いといわれます。それでも、お焚き上げを受け付けてくれるお寺もあります。
神道
お付き合いのある神社に相談すると、お焚き上げを受け付けてくれる場合があります。
キリスト教
教会に相談するか、ご家族の考えで処分する方が多いようです。
いずれも、ここでの説明は一般的な考え方です。迷ったときは、葬儀をお願いした葬儀社に聞いてみる方法もあります。
手放す前に、小さく残す方法
大きい遺影を手放しても、写真そのものは小さく残しておくことができます。場所を取らない形にすれば、これからも身近に飾れます。手放すことへのうしろめたさも、やわらぎやすくなります。
小さい遺影に作り直す
L判などに印刷し直して、写真立てで飾れます。棚や仏壇のそばにも置きやすい大きさです。
画像のデータで残す
スマホやパソコンに保存しておけば、場所を取りません。いつでも、好きな大きさで印刷し直せます。
家族で分け合う
データなら、離れて暮らすご兄弟やお孫さんにも送れます。
先祖代々の遺影を1枚にまとめる
何枚もある遺影を、写真店などで1枚の写真にまとめて飾る方法もあります。
スマホの待ち受けにする
毎日持ち歩くスマホなら、いつでもお顔を見られます。
写真立ての小さい遺影と、スマホの待ち受け(見本・架空の人物)手元に元の写真がないときは
額に入った遺影を、スマホで撮って使えます。撮るときは、次の点に気をつけると、きれいに残せます。
- できれば額から出して撮ります。ガラス越しだと光が映り込みます
- 窓の光を斜めから当て、天井の照明が写真に映り込まないようにします
- 写真に対してまっすぐ、真上から撮ります
- 古い遺影で色あせや傷がある場合は、整えてから印刷すると見違えます
古い写真は、真上から、窓の光を斜めから当てて撮りますアルバムに貼り付いた写真は、無理に剥がさなくて大丈夫です。貼ったまま、光が反射しないように撮ってください。
撮った写真は、その場でスマホの中で大きくして、お顔がぼやけていないか確かめます。ぼやけていたら、明るい場所で撮り直してください。手放す前に確かめておけば、後で困りません。
色あせて傷みのある古い写真を、整えた見本(架空の人物)遺影館で、小さい遺影や待ち受けの画像を作る
遺影館では、手放す前の遺影を撮った写真から、小さい遺影や待ち受け用の画像をお作りできます。料金は一律3,000円(税込)です。写真の古さや状態で、料金は変わりません。
- 写真を選びます。スマホでもパソコンでも選べます
- 画面の枠で、お顔の位置を確かめます
- 5種類の仕上がりを、その場でお作りします(目安 約5分)
- 仕上がりを確かめてから、お申し込みを決められます
仕上がりを確かめるまでは無料です。無料でお作りできるのは、1日2回までです。それ以降は、先にお支払いいただいてからお作りします。
四つ切用
3500×4200画素の画像です。大きい遺影として印刷するときに使えます。
L判用
1226×1750画素の画像です。L判の比に合わせて作るので、印刷してもお顔が切れません。
スマホの待ち受け用
1170×2532画素の画像です。スマホの待ち受けにして、いつでもお顔を見られます。
5種類それぞれに、この3つの大きさの画像がそろっています。お申し込みの後、透かしのない画像をその場でダウンロードできます。お支払い後7日間は、1件につき5回まで作り直しができます。
印刷と額縁は含まれていません。印刷は、お近くの写真店・ネットプリント・葬儀社にご依頼ください。額縁は、遺影館では扱っていません。
L判の形と、待ち受けの形の見本(架空の人物)まとめ
- 遺影は故人をしのぶための写真で、処分しても失礼にはあたりません
- 処分の時期に決まりはなく、法要や引っ越しなどの節目に考える方が多いようです
- 方法は、お焚き上げ・代行・業者への依頼・自分での処分の4つです
- 宗派ごとの考え方は、お付き合いのあるお寺・神社・教会に確かめます
- 手放す前に、写真を小さく残したり、データで残したりできます
よくあるご質問
親の遺影を処分するのは親不孝ですか?
そう考える必要はありません。小さく残したり、データで大切に保管したりするのも、立派な供養の形です。
お寺で遺影を処分してもらえますか?
受け付けているお寺もあります。お付き合いのあるお寺に相談してください。
いらない遺影は捨ててもいいですか?
捨ててもかまいません。気になる場合は、白い紙や布で包んでから、お住まいの自治体の決まりに従って出してください。お焚き上げを頼む方法もあります。
額縁はどうすればよいですか?
小さい写真を入れて、そのまま使うこともできます。処分する場合は、お住まいの自治体の決まりに従ってください。
遺影と一緒に白木の位牌も処分してよいですか?
四十九日で本位牌に替えた白木の位牌は、お寺で納めてもらうのが一般的です。遺影とは扱いが違うことがあるので、お寺に確かめてください。