遺影の額縁(フレーム)の選び方
遺影の額縁に、決まった色や形はありません。葬儀では黒い額がよく使われますが、葬儀の後に自宅で飾る額は、お部屋に合うものを選ぶ方が増えています。ここでは、選ぶときに見るとよい点を順にご案内します。
色・大きさ・素材・前面の板・形のほか、額縁をどこで用意できるかもまとめました。写真を額に入れるときのコツや、黒いリボンについても触れています。
同じ方の遺影を、黒・木目・白の額に入れた図(架空の人物)この記事でわかること
- 遺影の額縁に、決まった色や形はないこと
- 黒・淡い色・木目・白など、額の色ごとの印象と選び方
- 写真の大きさと額縁の合わせ方と、額の呼び方の注意
- 素材・前面の板・形の選び方と、額縁を用意できる所
葬儀用の額と、自宅用の額
葬儀では黒い額が一般的で、自宅ではお部屋に合わせた額を選ぶ方も多くいます。同じ遺影でも、使う場面によって合う額は変わります。葬儀の後のことも考えて、選んでおくと安心です。
葬儀で使う額
祭壇に飾る遺影は、黒い額に入れるのが昔から一般的です。葬儀社が遺影を用意する場合は、額に入れた形で届くことがほとんどです。額の上の角に、黒いリボンを掛けることもあります。
自宅に飾る額
葬儀の後は、葬儀で使った額をそのまま使う方もいれば、お部屋に合わせて額を替える方もいます。最近は、小さい遺影を写真立てに入れて、リビングに飾る方も多くなっています。
- 葬儀用:黒い額が多く、葬儀社が額に入れて用意することがほとんど
- 自宅用:葬儀の額をそのまま使うか、お部屋に合う額に替える
- 小さい遺影:写真立てに入れて、棚やリビングに飾る
額を替える時期
自宅用の額に替える時期にも、決まりはありません。四十九日などの法要を区切りにする方もいるようです。ご家族で話し合って決めてください。
写真立てに入れて棚に置いた、小さい遺影の図(架空の人物)色の選び方
額縁の色に決まりはないので、遺影の写真と飾る部屋に合わせて選びます。色によって、遺影の印象は少しずつ変わります。よく選ばれる色の印象は、次のとおりです。
黒
落ち着いた、改まった印象です。どんな背景や服装の遺影にも合い、葬儀ではいちばん多く使われます。葬儀の後も、そのまま飾り続けやすい色です。
グレー・紫・ピンクなどの淡い色
やさしく、明るい印象です。淡い色の背景や、笑顔の遺影とよく合います。遺影用として淡い色の額も多く売られ、自宅用に選ぶ方もいます。
木目(茶色・ナチュラル)
あたたかく、やわらかい印象です。和室にも洋室にもなじむので、自宅用としてよく選ばれます。仏壇や家具の木の色に合わせると、なじみやすくなります。
白
明るく、すっきりした印象です。明るい色の部屋や、白い家具とよく合います。
金・銀の縁取り
品のある華やかさが加わります。仏壇の金色の飾りともよく合います。細い縁取りが入るだけでも、印象が変わります。
笑顔の遺影を、淡い紫の額に入れた図(架空の人物)色を選ぶときのコツ
- 背景が濃い色の遺影には、明るい色の額
- 背景が淡い色の遺影には、黒や木目の額
- 迷ったら、飾る部屋の家具や仏壇の色に合わせる
遺影の背景と服装に合わせる
遺影の背景の色や服装によっても、合う額の色は変わります。黒い礼服や喪服の遺影を黒い額に入れると、全体が暗く見えることがあります。その場合は、木目や淡い色の額にすると、お顔が明るく見えます。
飾る部屋に合わせる
和室には黒や木目、洋室には白や淡い色の額がなじみやすいとされます。ただ、決まりではないので、お部屋の雰囲気やご家族の好みで選んで構いません。
大きさの合わせ方
額縁は、中に入れる写真の大きさで選びます。写真と額の大きさがずれると、はみ出したり隙間ができたりします。よく使われる写真の大きさと、主な使い道は次のとおりです。
四つ切(254×305mm)
主な使い道は、祭壇と、自宅に掛けて飾る遺影です。遺影でいちばん多い大きさです。
A4(210×297mm)
主な使い道は、祭壇と、自宅に掛けて飾る遺影です。
2L判(127×178mm)
主な使い道は、焼香台や仏壇のそば、棚に置く遺影です。写真立てに入れやすい大きさです。
L判(89×127mm)
主な使い道は、焼香台や仏壇のそば、棚に置く遺影です。写真立てに入れやすい大きさです。
葬儀用・焼香台用・自宅用の大きさ
額縁の大きさは、どこで使うかによっても変わります。使う場面ごとの、よくある大きさは次のとおりです。
葬儀(祭壇)用
四つ切やA4の写真が入る、大きい額がよく使われます。離れた席からもお顔が分かる大きさです。
焼香台用
L判や2L判の写真が入る、小さい額や写真立てがよく使われます。
自宅用
葬儀の額をそのまま使うほか、飾る場所の広さに合わせて小さい額を選ぶ方もいます。
額の呼び方に注意
遺影用の額は、写真の大きさではなく、額の呼び方で書かれていることがあります。たとえば、四つ切の写真が入る額が「八〇(はちまる)」や「太子(たいし)」などと書かれていることがあります。どの写真の大きさに合う額かは、商品の説明で必ず確かめてください。
四つ切とA4は別の大きさ
四つ切とA4は大きさが近いですが、同じではありません。四つ切の写真をA4用の額に入れると、はみ出したり隙間ができたりします。写真と額の大きさは、必ずそろえてください。
マット(台紙)付きの額
写真のまわりに、マットと呼ばれる厚紙の枠が付いている額もあります。写真のまわりに余白ができ、すっきり見えます。マットの窓の大きさが、写真の大きさに合っているかを確かめましょう。
台紙(マット)付きの木目の額に入れた図(架空の人物)大きさを決める順番
- 遺影を飾る場所(祭壇・壁・棚など)を決める
- 飾る場所に合う写真の大きさを決める
- その写真の大きさが入る額を選ぶ
- 額の説明で、入る写真の大きさを確かめる
素材の選び方
額縁の素材は、主に木製・アルミ製・樹脂製の3つです。見た目の印象と重さ、飾る場所に合わせて選びます。
木製
あたたかみがあり、重さもあって落ち着いた見た目です。和室にも洋室にもなじみやすい素材です。湿気の多い場所では、反りに気をつけます。
アルミ製
軽くて丈夫で、すっきりした見た目です。軽いので、壁に掛けるときも扱いやすい素材です。
樹脂製
軽く、色や形の種類が多いです。手に入れやすいものが多く、木目に似せた模様のものもあります。
壁や長押に掛ける大きい額は、重さも見ておきましょう。重い額は、掛ける金具やひもがしっかりしているかを確かめてください。棚に置く小さい額は、軽い素材だと倒れやすいことがあります。
置く形の額は、脚やスタンドがしっかりしているかも見ておきましょう。
前面の板の選び方
額の前面には写真を守る透明な板が入っていて、種類によって見え方や扱いやすさが違います。飾る場所の明るさや、地震への備えも考えて選びます。
ガラス
透き通って見え、傷がつきにくい板です。一方で、落とすと割れます。
アクリル・PET(樹脂の板)
軽く、割れにくい板です。上の方に掛けるときや、地震が心配なときに向いています。
無反射の板
照明や窓の光が映り込みにくく、お顔がよく見えます。窓のそばや照明の下に飾るときに向いています。
UVカットの板
日光による色あせを防ぎやすくなります。日の当たる部屋に飾るときに向いています。
窓の近くや明るい照明の下に飾る場合は、映り込みや日光が気になることがあります。飾る場所に合わせて、板の種類を選んでください。
板の扱い方
樹脂の板は、ガラスより傷がつきやすいことがあります。拭くときは、乾いた柔らかい布でやさしく拭いてください。
形の選び方:掛けるか、置くか
額縁には、壁や長押に掛ける形と、棚や台に置く形があります。飾る場所を先に決めておくと、選びやすくなります。
壁や長押に掛ける
裏にひもや金具が付いた額です。長押に掛ける場合は、長押用の金具を使います。
棚や台に置く
裏に脚やスタンドが付いた額です。写真立てとも呼ばれます。小さい遺影によく使われます。
掛け置き兼用
掛けることも置くこともできる額もあります。飾る場所を変えたいときにも便利です。
遺影立て
大きい額を、台の上に立てて置くためのスタンドです。祭壇のない場所でも、大きい遺影を立てて飾れます。
3枚の遺影を長押に並べて掛けた図(架空の人物)飾る場所から選ぶ
長押や壁に掛けるなら、掛ける形の額が向いています。仏壇のそばや棚に置くなら、置く形の額や写真立てが使いやすいです。飾る場所が決まらないうちは、掛け置き兼用の額を選ぶ方法もあります。
壁に掛けるときの注意
壁に掛ける場合は、額の重さに合ったフックや金具を使います。賃貸のお住まいでは、壁に穴を開けてよいかも確かめてください。
額縁はどこで用意できる?
額縁は、葬儀社・写真店・仏具店のほか、身近なお店や通信販売でも用意できます。急ぐかどうかと、選びたい種類の多さで、頼む先を決めるとよいでしょう。
葬儀社
葬儀用の遺影は、額に入れた形で用意してくれることが多いです。
ホームセンター・雑貨店・家具店
普段の写真立てを、小さい遺影に使う方も多くいます。
通信販売
色や素材の種類が多く、自宅に届きます。大きさの表記をよく確かめてください。
額を選ぶときに確かめること
- 入る写真の大きさ(四つ切・A4・L判など)
- 飾る場所に収まる、額の外側の大きさ
- 掛ける形か、置く形か
- 前面の板の種類(ガラスか、割れにくい樹脂の板か)
- 届くまでの日数(葬儀に間に合うか)
急ぐとき
通夜まで日がないときは、葬儀社や写真店に、印刷と額をまとめて頼むと進めやすくなります。通信販売は、届くまでに日数がかかることがあります。葬儀に間に合うかを、注文の前に確かめてください。
額縁の値段の決まり方
額縁の値段は、大きさや素材、前面の板の種類によって変わります。葬儀社に頼む場合は、遺影の費用に額縁が含まれていることもあります。見積もりに額縁が入っているかを確かめてください。
写真を額に入れるときのコツ
写真を額に入れる前に、前面の板と写真をきれいにしておきます。入れた後に、ほこりや指紋が目立つことがあるためです。次の順に入れると、きれいに仕上がります。
- 前面の板と写真に、ほこりや指紋が付かないよう、乾いた柔らかい布で拭いてから入れます
- 写真の上下と、額の上下が合っているかを確かめます
- 写真が額の中で傾かないよう、裏板でしっかり押さえます
- 掛ける場合は、落ちないよう金具やひもを確かめます
裏板の留め具がかたいときは、無理に曲げないようにします。留め具が折れると、写真がしっかり押さえられなくなります。
黒いリボンについて
黒いリボンは、葬儀のときに額の上の角に掛けることがあるものです。四十九日を区切りに外す方が多いようですが、決まりはありません。ご家族や葬儀社と相談して決めてください。
リボンは、葬儀用の額と一緒に用意されていることもあります。自分で額を用意する場合は、リボンを付けるかどうかも決めておきます。
黒の額の上の両角に黒いリボンを掛けた図と、外した図(架空の人物)- リボンは、葬儀のときに掛けることがあります
- 外す時期は、ご家族や葬儀社と相談して決めます
- 地域やお寺によって、考え方が違うこともあります
- 外した後も、同じ額のまま飾り続けられます
葬儀の後の額縁の扱い
葬儀で使った額縁は、そのまま自宅で使うことも、小さい額に替えることもできます。大きくて飾る場所に困る場合は、小さい遺影を別に用意する方法もあります。
- 葬儀の額のまま、自宅の壁や長押に飾る
- お部屋に合う色の額に、写真を入れ替える
- 小さい遺影を別に用意して、写真立てに入れる
小さい額に替えるとき
小さい額に替えるときは、写真も小さい大きさで印刷し直します。四つ切の遺影をそのまま縮めると、縦横の比が違うため、お顔が切れることがあります。L判の比に合わせた画像を使うと安心です。
額縁を手放すとき
使わなくなった額縁を手放すときは、お住まいの地域のごみの分け方を確かめてください。額縁は、木やガラス、金具などが組み合わさっていることがあります。遺影の写真の扱いは、お寺や葬儀社に相談する方もいます。
まだ使える額は、ほかの写真や、小さい遺影を飾るのに使う方もいます。
遺影館で作った遺影を額に入れるとき
遺影館では額縁を売っていないので、額縁はお近くのお店などでご用意ください。お渡しするのは画像データで、5種類の仕上がりそれぞれに3つの大きさがあります。
四つ切用
3500×4200画素です。四つ切の額に合わせて印刷できます。
L判用
1226×1750画素です。L判の比に合わせて作っているので、印刷してもお顔が切れません。
スマホの待ち受け用
1170×2532画素です。スマホの画面に設定できます。
印刷と額縁は含まれません。お近くの写真店やネットプリント、葬儀社にお渡しください。料金は一律3,000円(税込)で、お支払いの前に仕上がりを確かめられます。
5種類の仕上がりをすべてお渡しするので、額の色に合わせて、背景の違う仕上がりを使い分けることもできます。仕上がりを確かめるまでは無料です。お申し込みの後、透かしのない画像をその場でダウンロードできます。
まとめ
- 遺影の額縁に決まった色や形はなく、葬儀では黒い額がよく使われます。
- 自宅では、木目や淡い色など、お部屋に合う額を選ぶ方も増えています。
- 額縁は中に入れる写真の大きさで選び、額の呼び方は商品の説明で確かめます。
- 素材・前面の板・掛けるか置くかは、飾る場所に合わせて選びます。
- 黒いリボンを外す時期は、ご家族や葬儀社と相談して決めます。
よくあるご質問
額縁の色に決まりはありますか?
一般的な決まりはありません。葬儀では黒が多く、自宅では木目や明るい色もよく選ばれます。
葬儀で使った額を、そのまま自宅で使ってもよいですか?
問題ありません。大きくて飾る場所に困る場合は、小さい遺影を別に用意する方法もあります。
額縁だけ先に買ってもよいですか?
構いません。写真は、額に合う大きさで印刷してください。
手作りの額や、普段使いの写真立てでもよいですか?
問題ありません。ご家族が気持ちよく飾れるものを選んでください。